シリーズ脇役サン「椅子さん　改」（オリジナル） １／８スケール（全高147mm） 2012年11月11日製作開始 2013年２月３日完成

【「脇役サン」について】
「脇役サン」についてはこちらのリンクを参照。

「改」について
本作は2009年に完成したオリジナルデザイン「椅子さん」の複製品を小改造したものです。
改造点は右手のみで、読みかけの本を持った演出をしてみました。

塗装について
今回は一部に油絵の具を用いてみました。
普段使っている模型用塗料と違って、粘性が高く乾燥が遅いので、独特の効果が得られます。
今回やりたかったのは髪の毛の表現で、髪の流れにそって筆跡を入れてヘアラインを表現する試みです。
途中までは良い感じでヘアライン風に見えていたのですが、調子に乗って何度も筆先でなでていくうちにだんだん色も筆跡も平坦な感じになってきました。
適度な筆跡を残し、かつクドくならないように上達したいものです。
さらにスリッパのグレー部分に若干の色むらを入れるのにも用いてみました。これはかなり気に入りました。

佐藤史生「死せる王女のための孔雀舞」について
手に持たせた本には佐藤史生のコミックス「死せる王女のための孔雀舞(ﾊﾟｳﾞｧｰﾇ)」を用いました。
佐藤史生はワタシが若い頃に最も愛読した漫画家の一人です。高校の裏門前の書店で、何の予備知識もなくほんの気まぐれで手に取ったコミックス「夢見る惑星」で彼女の作品に出会いました。
以来彼女の作品をコツコツと買い集めました。ネット検索やネット通販の無い時代に気長な偶然まかせの収集でしたが、あてもなく書店をうろついたのも楽しい思い出です。
2010年４月４日に57歳で亡くなったことを知ったのは没後半年も経ってのことでした。
佐藤史生の生きた時代に生まれたこと、あの日熊野書店に「夢見る惑星」が陳列されていたこと、平積みでもないその本をなぜか手に取ったこと、その偶然にワタシは何度も感謝してきました。
モデラーとして、彼女の作品をモチーフに造形したいのはやまやまですが、良いアイデアが浮かびません。
今回脇役サンに本を持たせる演出が浮かんだので、特に好きな「死せる王女のための孔雀舞」にしてみました。「何コレ？」と思われるでしょうか、でも満足です。