シリーズ脇役サン 「カメラさん」（オリジナル） 1/8スケール 　（全高115mm　台座除く） 2013年3月製作開始 2021年3月28日完成

【脇役サンについて】
　「脇役サン」についてはこちらのリンクを参照

【「カメラさん」について】
　「カメラさん」はオリジナルシリーズの４作目。
　カメラ好きの女子というのはいくつかの物語に登場する。たぶん好感度の高いキャラ設定の一種なのだろう。
　私はカメラが好きで、小さなボディに精密機械がギッシリ詰まった感に魅力を感じている。またレンズを通して肉眼では得られない光の効果を得られるところも神秘的で良い。
　で、カメラが好きで女子が好きなのだから「カメラ女子」は容易に思いつくモチーフと言える。
　持っているカメラはOLYMPUS　E-5と12-60mmレンズをモデルに作成した。E-5は私が愛用しているカメラ。OLYMPUS最後の一眼レフ機である。
　自分の好きなものを作品に盛り込むのも楽しみの一つだ。
　女性には敬遠されそうな大きめの一眼レフだが、華奢な女子が厳ついカメラを使うのもギャップがあって良いかと思う。
　きっと彼女もZUIKOレンズの資産があって、光学ファインダーとミラー動作の感触が好きなのだ。

【製作について】
　制作に着手したのは2013年だが、しゃがみポーズの骨組みを組んだきり2018年末まで5年間放置していた。
　ポーズが決まらないうちに「牛串サン」の方に興が乗ってきたのでそちらを先に進めたためだ。
　カメラを構えてファインダーを覗くポーズにすると顔が隠れてしまうし、被写体も造るとなると大きなディオラマになってしまう。
　地面の花とか小さな物を撮っている様子にしようか、とか思案しているうちにひらめいたのが「猫撮影」。
　子猫を撮っていたらトコトコ寄ってきてしまった。という状況なら被写体が近くにあってもおかしくないし、彼女と被写体の間の空間が間延びしない。
　ということで、猫を含む構図のアイディアが固まった。
　状況は屋内(自宅)を想定して、裸足で部屋着の感じにしたかったので、ショート丈のデニムパンツ、緩めのトップスにした。
　
　顔は今回初めて試みで眼球に3mm径のスチール球を使った。瞼周辺の成形をするうちに眼球が平坦になってくるのを避けることができたと思う。
　髪は耳が隠れる髪型にして、顔と別パーツで塗装後かぶせるようにした。
　表情は前作よりも目を細めて、笑顔を協調したかった。もっと大胆に表情を崩せばよかったかもしれないと反省している。そもそも足元の猫を見ているので顔はうつむきで見えにくい。
　猫は初めてリアル動物を造るので苦労した。毛並みをディテイルで表現することができず、塗装で筆跡をのこして毛皮風に見せようとした。
　カメラはレンズ部分の透明感を出すためにキャスト作業でウレタン樹脂に変換後レンズ部をくり抜いて、3mm厚透明プラバンから切り出した透明丸板を埋め込んだ。